今回は、お店の床工事です。
立ち飲みカウンターの床で水洗いが出来るように
勾配を付けて仕上げてほしいという事です。
現状は、逆勾配になっていますので水が溜まります。
たまたまバケツの水をこぼしたら大きな水たまりになってしまったらしく、
工事せざるを得ない状況です。
お客さんがこの場所に立っても違和感のない様に、
しかし水は流れる位の勾配をとって出来るだけ緩やかに
仕上げてほしいとのことで、真直ぐな定木でしっかりとモルタルを均します。
仕上げは、モルタルのままですので、
クラック(ひび割れ)を逃がすために、土間に目地を入れて仕上げです。
また、既存の土間の上にそのまま新しくモルタルを流したので、
段差が出来てしまいます。
段差の角は道路面(角を斜めにするための鏝)を使い、斜めにすることで、
つまずきにくく面取りしました。
「押さえ一年摺り一生」なんてことを見習の時に、
職人さんに言われたことを思い出しました。
●「押さえ」=最終の段階で鏝で仕上げる事
●「摺り」=最初の均しの段階で成形する工程(定木を使って均す)
押さえは修行中の見習いでもできる仕事ですが、
定木摺りは経験を積んだ職人ですら難しい工程です。
これを失敗すれば床が真直ぐにならなかったり、
水溜りが出来てしまったりします。
若い時は、気にもかけていませんでしたが、
この年になって「なるほど」と思えるようになりました。
初心に戻って、職人さんに教わった事の意味をしっかり形に出来るように
精進していこうと思います。